臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
III.呼吸器疾患
7.呼吸不全の治療と管理
急性呼吸不全
木村 謙太郎
1
1大阪府立羽曳野病院集中治療科
pp.1852-1854
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208176
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
急性呼吸不全の定義は今日なお完全とはいえない.しかもその背景となる疾患は多様で,本病態の治療と管理を十分に概念の確立したentityにおけるごとく一義的に解説するには,いささかためらいを感じる.しかし,臨床の場面でしばしば出あう「数時間から数日間の経過中に,広義の呼吸器系を中心とする種々の病的過程に由来する血液ガス組成の異常により,生活機能が著しく障害された病態」と仮に定義してみると,基本的な治療と管理の原則を記述することは不可能ではない.すなわち,本稿では,「ガス交換障害の結果としての血液ガス組成の悪化(Pao2,Sao2の低下,Paco2の上昇)による急性危険症」としての急性呼吸不全に対する原則的対応について述べる.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.