臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
III.呼吸器疾患
7.呼吸不全の治療と管理
慢性呼吸不全
徳田 良一
1
1獨協医大第1内科
pp.1855-1859
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208177
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はじめに
慢性呼吸不全患者は,最近は肺結核に代わり,慢性閉塞性肺疾患,肺線維症,肺癌末期患者,慢性神経筋肉疾患などにみられるようになってきた.慢性呼吸不全は徐々に進行する.慢性の右心不全や多血症が存在するときは,慢性の低酸素血症や炭酸ガス蓄積を伴うようになる.このようなことから慢性呼吸不全の出現が疑われる.慢性呼吸不全は,肺機能障害の結果,動脈血中O2やCO2レベルを長期間正常に保つことができない状態(O2分圧75mmHg以下,CO2分圧47mmHg以上)をいう1).呼吸不全の確診には,動脈血ガス分析を行い,O2分圧,CO2分圧およびpHを測定することである.慢性呼吸不全の治療方針は,①呼吸仕事量の減少,②肺胞換気量の増大,③運動耐容量の改善,④急性増悪の予防,などである2).
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