Japanese
English
特集 術後の急性機能不全
術後急性呼吸不全
Acute pulmonary insufficiency after surgical treatment
瀬在 幸安
1
,
矢ヶ崎 千良
1
Yukiyasu SEZAI
1
,
Chiyoshi YAGASAKI
1
1日本大学医学部第2外科
pp.1411-1419
発行日 1976年11月20日
Published Date 1976/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206616
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はじめに
手術成績を向上させる要素として,手術手技が大きいウエイトを有していることは勿論であるが,同時に術前,術中,および術後における管理が必要であり,このためにこの分野の病態生理に関する豊かな知識が求められている.事実,外科療法発展の過程で困難な手術にさいして術後の呼吸障害,あるいは呼吸不全に対する適切にして迅速な対策が常に研究課題として登場し,また今後ともこのくり返しが,とくに新しい手術分野を開拓する度ごとに行なわれ,手術適応が次第に拡大されていくわけである.
呼吸障害を分析する場合,その基礎的な肺生理学の研究はこの十数年著しい進歩をとげている反面1-3),呼吸不全に対する対策は必ずしも満足するものでなく,なお暗中模索を続けている分野であると言えよう.しかも呼吸不全に対する定義をめぐつて,なおその見解が統一されておらず混乱している現状である.
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