Japanese
English
特集 集中治療を要する術後合併症
急性呼吸不全
Acute respiratory failure
原口 義座
1
Yoshikura HARAGUCHI
1
1東京警察病院外科集中治療部
pp.165-176
発行日 1988年2月20日
Published Date 1988/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209922
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急性呼吸不全は,術後に多くみられる合併症であり,その病態・治療上,問題点が残されている.急性呼吸不全の内でも重要性の高いARDSの発生機序について主に言及した.ARDSの発生機序は従来より各種の面から検討がなされているが,現在では好中球による肺毛細管内皮細胞の障害が中心をなすと考えられている.
治療は,呼吸管理と全身管理にわけられる.前者は,人工呼吸とそれ以外の呼吸管理からなる.人工呼吸は,従来IPPB,PEEPが中心であったが,最近はCPAPや人工肺も注目されている.ARDSのなかでも敗血症肺では,極めて予後が不良であり,治療上,特に検討を要する.幾つかの新しい薬剤の使用も試みられているが,なお決定的なものはみられない.人工呼吸よりのweaningには,IMVを始めとして各種の方式が開発されている.全身管理としては,特に敗血症・DIC,他の臓器障害の治療や栄養管理が重要である.
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