疾患合併と薬剤
胃・十二指腸潰瘍患者の貧血
原沢 茂
1
,
三輪 剛
1
1東海大内科
pp.584-585
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207169
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
胃・十二指腸潰瘍の合併症は出血,穿孔,通過障害がその主なものである.とくに穿孔,通過障害は外科的処置が第1選択される病態である.一方,出血は程度の差こそあれ,消化性潰瘍には必然的に存在するものであり,その程度により貧血にも程度の差が見られる.
消化管出血は主として吐血または下血として現れ,その原因の70〜95%はこの消化性潰瘍によるものと考えられている.一般に吐血は胃潰瘍にみられ,下血は十二指腸潰瘍に起こることが多い.出血を初発症状とするいわゆる"silent ulcer"は約10%であるといわれ,消化性潰瘍患者全体の約25%が顕出血を呈するといわれている1).
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.