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今月の主題 胃・十二指腸潰瘍の病態生理
座談会
胃・十二指腸潰瘍の病態生理
Conversazione―The Pathophysiology of Gastric and Duodenal Ulcer
三崎 文夫
1
,
早川 滉
2
,
矢花 剛
3
,
三輪 剛
4
,
青木 照明
5
,
渡部 洋三
6
,
岡部 治彌
7
,
古賀 成昌
8
H. Okabe
7
,
N. Koga
8
1京都府立医科大学公衆衛生
2九州大学第3内科
3札幌医科大学第1内科
4東海大学内科
5東京慈恵会医科大学第2外科
6順天堂大学第1外科
7北里大学内科
8鳥取大学第1外科
pp.786-799
発行日 1982年7月25日
Published Date 1982/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108920
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岡部(司会) 胃・十二指腸潰瘍の成因論に有名なShayの“balance theory”があります.約20年前の第2版のBockusの本のあの秤の絵を日本の雑誌に私が初めて紹介したのではなかったかと思っているのですが,初めてあの絵をみた時にうまいtheoryだなと思いました.ところが,実は最近必要があって古い文献を読んでおりましたら,明治の中ごろに日本の文献に既に攻撃因子,防御因子に類する言葉が使われているのを知って非常にびっくりしました.言うなれば,Shayは昔から言われている概念に学問の進歩によって新しくわかってきた諸因子を組み込んだにすぎないわけです.
本日の話題である病態生理についても,運動と分泌機能に関してかなり詳しいことが昔からわかっています.ただ,そういう生理機能の異常を来す原因となる自律神経系や各種消化管ホルモンに関する知識また粘膜血流や粘液成分に関する研究も最近急速に進歩してきました.
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