今月の主題 内科エマージェンシー
疾患別内科エマージェンシー
胃・十二指腸潰瘍
杉山 貢
1
,
片村 宏
2
1横浜市立大学医学部救命救急センター(浦舟病院)
2国立伊東温泉病院外科
pp.2177-2179
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903013
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ポイント
●バイタルサインをチェックし,ショック状態では早期離脱をはかる.可能なかぎり自覚症状,病歴を聴取する.高齢者やステロイド使用者,意識障害の患者では症状がマスクされやすい.
●胃管を挿入し出血では洗浄,穿孔では胃内容を吸引除去する.意識障害があれば気管内挿管し施行する.
●X線写真で穿孔の際のfree air陽性率は50〜80%で,超音波・CTの重要性も高まっている.
●内視鏡検査は診断と治療方針の決定に不可欠で,出血性潰瘍では必要に応じて内視鏡的止血を行う.
●穿孔性潰瘍では胃液の吸引,抗生物質とH2受容体拮抗薬(H2-RA)を投与し,速やか(8時間以内)に外科にコンサルトする.
●出血性潰瘍では胃内pHを5以上に保つため,H2-RAを単独あるいは内視鏡的止血と併用し投与する.
●長尾分類の重症例,内視鏡的止血不能例,合併症を有する高齢者は速やかに外科にコンサルトする.
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