小児と隣接領域
他科の診療を必要とするとき
巷野 悟郎
1
1都立駒込病院小児科
pp.136-137
発行日 1976年1月10日
Published Date 1976/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206396
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幼小児は自ら症状を訴えることができないので,からだになにか異常が起こったときには,啼泣,不機嫌,食思不振など,ごくありふれた様子の変化が先行する.そしてさらに,発熱や痙攣・下痢などといった身体症状が把握される.しかし,これは当事者ではなく,主に母親が観察してとらえた症状であるから,母親の医学知識やそのときの精神状態性格などによって,医師を訪れたときの主訴は必ずしも診断にとって的確なものではない.そして多くの場合,小児だからという理由で小児内科を訪れる.
成人であるならば耳が痛ければ耳鼻科を訪れるであろうが,小児の場合は,たとえば中耳炎であったとしても,母親が小児の耳部を圧して強く泣くことから,耳の病気ではないかと推察しない限り,啼泣や発熱などの症状から小児内科を訪れることになる.そしてここから耳鼻科診察の依頼となる.
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