私の意見
医師と公務員の狭間—病院勤務体制の改革を訴える
小島 憲
1
1元自衛隊中央病院
pp.570-571
発行日 1970年5月10日
Published Date 1970/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203083
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戦前戦後のなにごとも「統制」という時代に,よく郵便局とか区役所とかに出かけて用をたそうとすると,「只今食事中」という看板を出して窓を閉じ,中では煙草をすったり読書をしているくせに「てこでも動かないぞ」といった気配を見せていることがたびたびあった.こんなことはなにびとも思い出す不快な出来事であるが,病気で病院に駆け込んだとき,その病院の窓口が閉まっておったり,また窓はあいておっても適当な医者がいなかった場合は,不快という感情だけの問題ではすまされず,場合によっては貴重な生命にもかかわる結果になりかねない.このことは私が医者となって40年余常に心を離れない問題である.
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