私のインターン生活
国家公務員共済組合立川病院にて
山前 邦臣
pp.80
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201148
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専門別に細分化されていない病院
東京駅から中央線で約1時間半,立川市の南端にあり,国家公務員共済組合連合会という組織によつて経営されている。病床550,医師約40,伝染病棟,精神病棟を含む全科があり,昨年新築されたところなので,設備は良いし,環境も良く,しかも大学病院なみの敷地を持つている。こう書くと聞こえは良いが,敷地の大半をしめるところの建物は,インターン寮を含めて,旧病院,看護婦寮,看護学院等々戦時中のオンボロ平家建である。院長は前田和三郎先生で,外科の出身。医師のすべてが慶応の医局出身者でしめられ,これ位の大きな病院で,各科がさらに専門分野に細分化されていないのも,この病院の特徴の一つである。建物は新しいが,内容は大多数の中小病院のように旧態依然ということらしい。しかし,各科をもらさず,しかも万遍なく修練することになつている今のインターン制には,かえつて向いている。教える先生方も,その科の全分野を万遍なく診療し,勉強しなければならないのだから。
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