特集 勤務医と労働基準法―医療の現実と法
国立病院機構の勤務体制
廣島 和夫
1
1独立行政法人国立病院機構大阪医療センター
pp.815-818
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100092
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このテーマの原稿依頼を受けた時,正直に言って断るつもりであった.毎日,リアルタイムで生じる医療現場での業務,特に医師が業務を遂行する場面で,一定期間を通して労働基準法(以下,労基法)を遵守することが結果的に困難であった事例が生じることは,管理者であれば誰もが経験している.労基法の精神は全く正しく遵守すべきであるが,現場との乖離の大きさを感じているだけに,なかなか書き辛いものがあるからだ.
国の時代の労務管理
1.公務員の労働条件に関する規則 国家公務員の労働条件の大枠は国家公務員法によって,その詳細は人事院規則によって規定されている.
国家公務員法106条(勤務条件:職員の勤務条件,その他職員の服務に関し必要な事項は,人事院規則でこれを定めることができる)を受け,勤務時間法13条(正規の勤務時間以外の時間における勤務),人事院規則14-15条(超過勤務を命ずる際の考慮)などによって時間外勤務について言及されている.これまでは,以上を受けて慣例的に超過勤務の管理が行われていた,と考えられる.
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