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ローテート研修の罠
草場 鉄周
1
1北海道家庭医療学センター本輪西サテライトクリニック
pp.436
発行日 2003年11月30日
Published Date 2003/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107432
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臨床研修必修化で標準となるローテート研修は,さまざまな疾患を経験し,知識・技術の幅を広げるという大きなメリットがある一方で,落とし穴も少なくない.そのなかでもよくある失敗は,2~3カ月という短期間の研修のなかで,その科の全貌を学ぼうと努力するあまり,結局は何も学べないというものである.私自身,研修医1年目の初期に「あれも,これも」と意気込んで取り組んだものの,自分の研修目標の半分以下しか到達できず,つらい思いをしたことがあった.
この失敗を克服する良い方法は,自分自身の目指す医療や医師像を研修に反映させることだろう.循環器科の研修を例に挙げてみる.循環器専門医を目指す場合は,冠動脈カテーテル検査の経験を重視することで自分の志向性を試す機会にすることができる.心臓血管外科医を目指すなら手術適応に着目する.一般内科医を目指すなら心不全や虚血性心疾患の各種検査による確定診断と病棟治療,家庭医を目指すなら外来見学を増やして循環器疾患の外来マネジメントと入院適応の判断を重点的に学ぶ.
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