連載 DNAは、いつ統合失調症の秘密を語るのか・2
大規模研究の罠
糸川 昌成
1
1東京都医学総合研究所統合失調症・うつ病プロジェクト
pp.66-71
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101180
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統合失調症の遺伝子研究はなぜ熱を帯びるのか
ここに、イェール大のMatthew W. Stateという学者の調べた、遺伝子研究の件数のデータがある❶*1。
統合失調症(赤)の遺伝子研究の論文数は、自閉症(グレー)やトゥレット症候群(黒)よりはるかに多い。しかも、1985年当時と比べて2008年まで右肩上がりに増えている。なぜ、これほどまでに統合失調症の遺伝子は研究されるのだろうか。その答えは、λs(ラムダ・エス)と呼ばれる、聞きなれない遺伝統計用語を理解することで得られるかもしれない。
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