連載 魁!! 診断塾・9
biasの罠に注意せよ!の巻
佐田 竜一
1
,
綿貫 聡
2
,
志水 太郎
3
,
石金 正裕
4
,
忽那 賢志
5
1亀田メディカルセンター 総合内科
2東京都立多摩総合医療センター リウマチ膠原病科
3ハワイ大学 内科
4国立感染症研究所感染症疫学センター FETP-J
5国立国際医療研究センター 国際感染症センター
pp.2414-2419
発行日 2014年12月10日
Published Date 2014/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200197
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下垂体腺腫,直径4cmの上行性胸部大動脈瘤,高血圧,脂質異常症で当院かかりつけの83歳女性が,3週間前から続く頭痛と微熱,かすみ目を主訴に来院した.頭痛は緩徐発症で目の奥が重くなるような痛みが続き,2週間前から目がかすむような自覚があったが,新聞などは読めた.当初は37℃台の微熱だったが,2日前から38℃に上昇したため,かかりつけの神経内科外来を受診した.
ADLはもともと杖歩行で,来院時も杖歩行で来院された.息子夫婦と3人暮らしで,飲酒・喫煙はせず,動物曝露や海外渡航歴もない.内服はカンデサルタン,ニフェジピン徐放剤,アスピリン,アトルバスタチン,ランソプラゾール.健康食品や漢方の内服はない.
review of system(ROS)では頭痛,発熱,全身倦怠感,かすみ目,食思不振,倦怠感があり,悪寒戦慄や体重減少,気道症状・腹部症状・排尿症状・皮疹/関節痛などはなかった.
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