Derm.2012
ローテート研修後の先生方へ
杉浦 一充
1
1名古屋大学医学部皮膚科
pp.154
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103294
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とかく評判のよくない非入局ローテート研修であるが,私の卒業大学では従来よりローテート研修であった.オーベンもウンテンも非入局ローテートが当然と考えている,全国的には稀有な大学病院で働いている.膠原病を専門としているので,研修医時代に少しでも内科をはじめとして他科を回ったことはプラスに働いている.
研修医時代に印象に残っている言葉がある.卒後6年目の小児科医であった,O先生の言葉である.研修先の病院は小児科も充実しており,素晴らしい先生がたくさんおられた.その中でもO先生は人望も厚く,何でも知っている小児科医だった.小児科にローテート研修したおり,どうして先生はそんなになんでもご存知なのですか? と尋ねたところ,「患者さんに尋ねられてわからないことがあったら,次は絶対に答えられるようにしておく.心がけているのはただそれだけ」と,さらっと答えられた.翻って,その言葉を胸に,自分はいつも実行しているとは言えないのが情けないところではあるが,臨床は日々の積み重ねであることを身近な先輩から教えていただくことができた.
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