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卒後初期研修―臨床医としての原点
木川 和彦
1
1熊本大学医学部附属病院総合診療部
pp.427
発行日 2003年11月30日
Published Date 2003/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107431
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昭和43(1968)年のインターン制度廃止以来の36年ぶりの医師法の一部改正(文字通り改正でなければならない)の施行が目前です.大変革であるがゆえに伴うものだとしても,方針決定の遅れと準備不足は予想を遥かに上回るもので,特に,現在6年次の学生と彼らを新しく受け入れようとしている研修現場に,必要以上の混乱と不安が生じています.臨床研修プログラム作成にあたっている立場として忸怩たる思いの毎日です.
平成16(2004)年度からの,この新医師臨床研修制度の導入だけで,より良い臨床研修が保証されるとは,決してだれも思ってはいないでしょうが,①卒後研修が法的に位置付けられたこと,②同一の研修目標が定められたこと,③研修の自己裁量と,④研修先の選択の幅が広がりうること,などの改善点には注目すべきです.これらの点を研修医と彼らを受け入れる研修病院・施設の双方の努力で最大限に活かしていかなければなりません.でなければ社会のニーズには応えられないことになります.
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