特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗血小板抗体
渡邊 直英
1
,
半田 誠
1
1慶應義塾大学医学部輸血・細胞療法部
pp.472-474
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104872
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
抗血小板抗体は同種抗体と特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura:ITP)などの自己免疫疾患患者に生じる自己抗体に大別できる.同種抗体には,抗HLA(human leukocyte antigen:ヒト白血球抗原)抗体や抗HPA(human platelet antigen:ヒト血小板抗原)抗体(血小板の膜糖蛋白のアミノ酸点多型に対する抗体)があり,輸血や妊娠によって免疫されて生じ,血小板輸血不応症や新生児免疫性血小板減少性紫斑病の原因となる1).自己抗体は,ITPを代表とする自己免疫性血小板減少症で出現し,主に巨核球-血小板系細胞にのみ特異的に発現する膜糖蛋白GPIIb/IIIaやGPIb/IX/V複合体などを抗原とする2,3).
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.