検査データを考える
抗血小板抗体(同種&自己)
森田 庄治
1
,
柴田 洋一
2
1埼玉県赤十字血液センター検査二課
2東京大学医学部附属病院輸血部
pp.463-468
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903412
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はじめに
抗血小板抗体は大別して抗血小板同種抗体と抗血小板自己抗体の2つに分類される.一般に抗血小板同種抗体という場合は,血小板膜表面に存在する抗源に対する抗体〔ABO, HLA(human leukocyte antigen,ヒト白血球抗原),HPA(human platelet antigen,ヒト血小板抗原)〕を意味し,その大部分は輸血や妊娠によって産生される.一方,抗血小板自己抗体は特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenicpurPura;ITP)に代表される自己免疫性疾患において産生される抗体で,血小板膜の糖蛋白(glycoprotein;GP)に対する抗体(抗GPIb,抗GPIIb,抗GPIIIa,抗GPIIb/IIIa複合体など)が明らかになっている.
本稿では,筆者らがこれまでに経験した症例を中心に取り上げ,抗血小板抗体検査が診断の補助的検査として,病因や病態の解明に重要な検査であることから,その必要性について概説する.
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