技術講座 血液
新しい抗血小板抗体検査
桑名 正隆
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.123-128
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102363
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新しい知見
血小板はさまざまな病態において自己抗体,同種抗体の標的となる.抗血小板抗体の検出に用いられている血小板関連IgG(platelet associated IgG,PAIgG),血小板結合性IgG(platelet binding IgG,PBIgG)は自己抗体の検出法としては感度または特異度に大きな問題があり,診療における有用性は極めて低い.近年,GPb/aなど血小板膜糖蛋白に特異的な抗体を産生するB細胞を半定量的に検出するアッセイ法が提案された.抗GPb/a抗体産生B細胞の測定は,抗血小板自己抗体によって惹起される免疫性血小板減少性紫斑病の診断に有用である.本法は少量の末梢血で検査可能で,迅速に結果が得られるなどの多くの利点を有することから,今後の普及と保険収載が期待される.
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