特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液検査
血球検査
骨髄像
土屋 達行
1
1日本大学医学部病態病理系臨床検査医学分野
pp.72-74
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104695
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
骨髄は血液細胞の産生の場であることから,ほとんどの血液疾患で造血臓器である骨髄に変化をきたす.一方,血液細胞はそれぞれが機能を有し,血管内・外で多彩な役割を果たしている.そのため,骨髄像に異常を示すメカニズムとしては,造血過程そのものに異常をきたす場合と,血液疾患以外の病態に伴って血液細胞に数的・質的な変化をきたす場合とがある.
血液一般検査で血液疾患が推定される場合は,ほとんどが骨髄像検査の適応になる.急性白血病をはじめとする血液の悪性疾患では,確定診断を下すことが可能で,臨床的意義は大きい.従来,骨髄像は血液疾患で認められる血球形態の変化や分布の変化のみをとらえるものであった.しかし,現在では血球の形態変化のみならず,染色体あるいは核酸増幅法を用いた遺伝子の検索や,腫瘍性増殖を示す血球同定のための細胞表面マーカーの検索など,幅広い検査のための検体採取法でもある.
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