増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液検査
血球検査
骨髄像
東田 修二
1
1東京医科歯科大学医学部臨床検査医学講座
pp.64-65
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223202
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検査の概要
骨髄は血球産生の場であり,骨髄球系,赤芽球系,巨核球系,リンパ球系の種々の分化段階の細胞と,造血を支持する細胞が存在する.白血病,骨髄増殖性腫瘍,骨髄異形成症候群,骨髄腫はこれらの造血細胞が腫瘍化して生じた疾患であり,その診断のために骨髄検査を行う.血球減少の原因が再生不良性貧血のような骨髄不全である場合にも骨髄検査を行う.リンパ腫や種々の癌の骨髄浸潤を検索する場合にも行われる.さらには,これらの治療効果の判定にも用いられる.
骨髄検査の適応を検討した後,まず骨髄穿刺を行う.表1のような場合には引き続き,骨髄生検も行う.穿刺は後腸骨稜で行うが,腸骨に放射線治療が行われたなどの理由で腸骨が不適切な症例では,経験豊富な医師が胸骨貫通による合併症に気をつけながら,胸骨から穿刺を行う.生検は腸骨から行う.採取検体を用いて表2に示す検査を行う.標本の鏡検では表3に示す項目を観察する.
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