特集 日常臨床検査法
Ⅲ.血液
5.骨髄像
寺田 秀夫
1
1聖路加国際病院内科
pp.1462-1468
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908802
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骨髄穿刺検査(Bone marrow aspiration,Bone marrow puncture)は日常臨床各科,特に内科領域で最もしばしば行われる臓器穿刺診断法のひとつである.しかし臨床医が正しくその適応を選び,正確かつ迅速に穿刺し,また慣れた検査技師が採取された骨髄血をすばやくしかも確実に検査に移さないと,せっかく患者に緊張感と痛みを与えたにもかかわらず,無意味な検査になってしまう場合も少なくない.
また骨髄穿刺を行えばすべての診断情報が得られると過度の期待を持ちやすいが,必ずしもそうではなく,骨髄像の成績と他の臨床検査成績を組み合わせて,初めて確実な診断に至る場合が多い.特に新生児や小児の骨髄像は,たとえ専門の血液学者が観察しても,十分な自信が持てない場合が多く,小児臨床を熟知する小児科専門医が臨床像と組み合わせて判断する必要がある.
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