特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅳ.腹部
臓器からみた腹部エコー
消化管―腹部食道,胃,十二指腸
本田 伸行
1
,
橋向 成典
1
,
廣辻 和子
2
1寺元記念病院放射線科
2医真会八尾総合病院臨床検査科
pp.335-338
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103090
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
基本の解剖
本稿では,スクリーニング超音波検査(ultrasonography:US)に際して比較的描出が容易な上部消化管を取り上げる.
消化管USの基本は,胃腸液の貯留の有無と壁肥厚の有無を確認することといえる.消化管内容物はその音響学的性状によって種々のエコーレベルを示し,澄んだ胃腸液は無~低エコー,微小ガスの混在した食物残渣や粘液は高エコー,消化管ガスは多重反射として描出される.消化管壁は,通常のコンベックス型探触子を用いた経腹壁走査では,1層の低エコーレベルに描出されることが多い.この低エコーは固有筋層(proper muscle layer:pm)に由来しており,さらにこの内腔側に粘膜下層(submucosa:sm)が高エコー層として識別できることもある.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.