講座 腫瘍マーカー—適応と限界・3
消化管の癌(食道,胃,大腸)
戸部 隆吉
1
,
前谷 俊三
2
,
丸岡 康洋
1
,
飯島 庸介
1
,
西川 俊邦
1
,
内藤 厚司
1
1京都大学医学部第1外科
2京都大学医学部手術部
pp.953-957
発行日 1985年7月20日
Published Date 1985/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209066
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はじめに
癌診断の最近の進歩といえば,まず腫瘍マーカーによる血清学的診断と,US(超音波)とCT(コンピューター断層撮影)による画像診断が挙げられる.ところが消化管の癌はその内腔の上皮から発生するため,内視鏡やX線造影など消化管内面を観察できる検査法が今なお有力な検査法であることに変りはない.これに対して本稿では腫瘍マーカーが大腸,胃,食道などの癌の診断,治療にどのような役割を演じ,どのようなインパクトを与えたか,さらにその限界はどこにあるのかを検討することにする.なお腫瘍マーカーとしては,次々と新しいものが報告されているが,本稿ではCEAを中心に,消化管の癌に対して評価の定まつてきたものだけを取り上げることにした.
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