特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅲ.心臓
疾患の評価
肥大型心筋症
髙﨑 州亜
1
,
鄭 忠和
1
1鹿児島大学医学部循環器・呼吸器・代謝内科学
pp.169-174
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103064
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肥大型心筋症は,心筋の異常な肥大を特徴とし,約半数は家族性でそのほとんどが常染色体優性遺伝の心疾患である.その多くは無症状か軽度の胸部症状しか認めず,一般に予後良好とされるが,不整脈などによる突然死がみられ,進行すると心機能障害から心不全を引き起こすため,本疾患の診断はきわめて重要である.
左室流出路の狭窄を伴う①閉塞性肥大型心筋症と,狭窄を伴わない②非閉塞性肥大型心筋症に分類される.圧較差20mmHg以上を有意な流出路狭窄とする.また,閉塞性肥大型心筋症の亜型として,左室中部閉塞性肥大型心筋症がある.
本疾患の診断および病態把握における心エコーの役割を,①心形態・構造異常,②心血行動態異常,③心機能異常の3つの観点から説明したい.
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