連載 Case Study 診断に至る過程・11
病歴と身体所見2
松村 正巳
1
1金沢大学医学部付属病院リウマチ・膠原病内科
pp.1394-1398
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102856
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病歴&身体所見
66歳,女性
主訴:手の関節炎,筋肉痛,発熱
現病歴:生来健康であったが,10週間前から手の対称性の関節炎,筋肉痛,食欲低下が出現した.また,2時間あまり続く,朝の手のこわばり感があるという.6週間前からは37℃台の発熱を認めるようになった.さらに,3日前からは最高38.5℃の発熱を認めていた.この2カ月で1.5kg体重が減ったという.食べ物が飲み込みづらいということはないが,口腔内の乾燥感は数年前からあるという.また,10カ月程前からは水仕事をすると,指が白くなる現象を認めていた.
既往歴:特記事項なし.
家族歴:特記事項なし.
嗜好:たばこは吸わない.お酒は飲まない.
職業:主婦
ペットは飼っていない.
身体所見:血圧120/74mmHg,脈拍96/分,整,体温39.1℃,呼吸数20/分.患者さんには慢性的な病的な印象がある.リンパ節腫脹,皮下結節,皮疹は認めない.眼,耳,鼻,口腔に異常所見はない.呼吸音,心音に異常なし.腹部にも異常所見なし.
両手の指は全体に腫れており,PIP(近位指節間),MP(中手指節)関節に腫脹,圧痛を認める.左の第2,3指の爪床の毛細血管の拡張を認める.また,下肢に沈下性の浮腫1+を認める.徒手筋力テストで異常は認めない.
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