救急神経症候の鑑別とマネジメント(2)
頭痛のneuro-critical care(後編)
永山 正雄
1
1東海大学医学部神経内科
pp.332-336
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102532
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頭痛例で見逃しやすい頭部CT所見(表1)
CT所見の見逃しがきわめて重大な結末を招きうるのは,くも膜下出血である.図1Aのような典型例の診断は容易であるが,脳溝,脳槽(特に大脳脚間槽),くも膜下腔内に限局したくも膜下出血は非常に見逃されやすい(偽陰性例:図1B,C).一方,くも膜下出血と見誤る偽陽性所見は,高度の脳浮腫に伴う硬膜血流のうっ滞(図1D)やショック・腎障害例で他臓器検索のため造影検査を先に施行した例でみられる〔pseudo-SAH(subarachnoid hemorrhage)〕1).
脳梗塞超急性期にみられうる所見として,中大脳動脈(MCA)内の血栓(hyperdense MCA sign)や虚血部灰白質のCT値低下,脳溝の不明瞭化があるが,これらについては「脳梗塞」の回で述べる.
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