救急神経症候の鑑別とマネジメント(5)
遷延性意識障害のneuro-critical care
永山 正雄
1
1東海大学医学部神経内科
pp.908-912
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102068
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可逆性遷延性意識障害例の存在
集中治療の普及と発達により急性期の死亡は免れたが,脳血管障害後遺症や低(無)酸素・虚血後脳症,急性脳症などにより,回復の見込みなく意識障害が遷延する例が増加しつつある.一方,臨床的には,脳死や遷延性植物状態に紛れて存在するpseudocoma(広義)や,診断の困難性や時には主治医の努力不足により治療の機会を逸している病態の鑑別と治療が重要である.昨年筆者らは,その臨床像を“可逆性遷延性意識障害”として初めて報告した.これらは本来急性期の病態ではないが,意識改善による本人や家族の喜びは計り知れず,新しいneuro-critical care上の命題として本稿で扱う.
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