救急神経症候の鑑別とマネジメント(8)
急性期脳梗塞のneuro-critical care(後編)
永山 正雄
1
1東海大学医学部内科学系神経内科学
pp.1422-1430
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102180
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本来,脳梗塞の急性期治療は,①発症後の時間,②臨床病型(アテローム血栓性脳梗塞,ラクナ梗塞,心原性脳塞栓症)のほか,③機序(血栓性,塞栓性,血行力学性に加えて,動脈原性塞栓,branch atheromatous diseaseなど),④責任血管,⑤出血性梗塞か否か,⑥重症度,⑦合併症によって異なる.近々に,エビデンスに基づいて本邦で初めて作成された脳卒中治療ガイドライン2003(作成委員長:篠原幸人,事務局:筆者)1)も公表される予定であるが,エビデンスレベルのみならずこれらの正確な臨床像の評価がtailored best treatmentのためにきわめて重要である.本稿では脳梗塞急性期の治療指針について,脳卒中治療ガイドライン2003およびその脳梗塞部分の原案となり筆者も分担した平成14年度厚生労働科学研究班(脳梗塞班)報告書2)の意図を踏まえた私案を述べる.
病型未決定時の治療
以下,脳卒中が疑われるがまだ脳卒中病型(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血)が未決定の段階における超急性期管理について述べる.意識障害例については,本連載第4回「意識障害」(40巻4号)も参照されたい.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.