救急神経症候の鑑別とマネジメント(6)
全身痙攣・痙攣重積状態のneuro-critical care
永山 正雄
1
1東海大学医学部神経内科
pp.1056-1061
発行日 2003年6月10日
Published Date 2003/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102101
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多くの全身痙攣発作は1~2分以内に終わるが,発作時の状況(運転中,入浴中)や誤嚥・窒息の合併によっては,生命の危険をきたす.さらに痙攣発作が30分以上持続する場合,あるいは意識回復なく30分以上反復する場合を痙攣重積状態と呼び,きわめて危険な状態となる.ICUでみられる神経系合併症としても,てんかん発作は代謝性脳症に次いで多く,その大部分は強直間代性の全身あるいは部分痙攣である.
てんかん発作・重積状態の分類
大脳皮質神経細胞の過剰な局所性発射は,種々のてんかん発作を生じるが,その代表例が全身痙攣である.主なてんかん発作の国際分類を表1上段に,てんかん重積状態の臨床分類を下段に示す.単純部分発作では意識障害はないが,複雑部分発作では意識障害を伴う.また全身痙攣であっても,前兆(aura),局所性発症,Todd麻痺(発作後の一過性麻痺)がみられれば二次性全般化が疑われる.
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