特集 検診を検診する
小児の腎疾患対策の歴史と今後の展望
酒井 糾
1
1北里大学医学部泌尿器科
pp.232-236
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901667
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神奈川県では,昭和48年より地域での総合的腎疾患対策の一翼を担う学校検尿事後措置対策が開始された.幸いにも,98%の検尿検体が一検査センターで処理されており,検査データのばらつきのない点が事後管理をする上に大きく寄与した.また,県内児童生徒の約70%が検尿後各地域での学校検尿判定委員会によって事後対策が講じられており,対象児童生徒は年ごとに適正に管理がされるようになった.
診断よりも管理のあり方に目が向けられた学校検尿事後対策は,学童のpositive healthの面で大きく寄与したが,時代の流れはそれだけで済ますことを許さなかった.つまり,診断技術の高度化,腎疾患治療のレベルアップは従来の早期発見,早期適正管理をさらに一歩前進させ,早期診断,早期治療の方向へと進ませた.
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