鏡下咡語
難聴児対策の今後の展望
東川 清彦
pp.214-215
発行日 1976年3月20日
Published Date 1976/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208326
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私が,難聴児対策に関与して,そろそろ20年を迎えようとする今日この頃,その経験年数を生かして,画き続けてきた筈の理想像とは裏腹に,いささかの疑問点に直面して,頭を抱え込んでしまうのが現状である。
当時,国が高度経済成長と,福祉行政の枠を拡げたその少し前の時期に,難聴児対策を打ち出したことは幸運であつたし,各方面の分野での叡知の結集が見事に実を結んだことも喜ばしい限りであつた。しかし,20年という年月は時代の変動も伴つて不安定となり,同時に伸び悩み,マンネリ化,という形で露呈され,これへの解決は今後に残された大きな課題ともなつてしまつた。
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