保健行政スコープ
病原性大腸菌O-157による一連の食中毒事件について
新木 一弘
1
1厚生省生活衛生局食品保健課
pp.673-675
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901558
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今年5月以来かつてない規模で広がりを見せている食中毒事件の原因菌,病原性大腸菌O-157(以下「O-157」と略)は,1982年アメリカオレゴン州とミシガン州でハンバーガーによる集団食中毒事件において,患者の糞便から原因菌としてはじめて見つかりました.
日本においては,1990年に埼玉県浦和市の幼稚園で汚染された井戸水により死者2名を含む268名に及ぶ集団発生が報告された以降,注意を要する食中毒の原因菌として知られています.平成7年度までに,わが国でもこの菌により10件の集団食中毒などの事例が報告されて,合計3名の死者が出ています.なお,これまで,毎年100人ほどの感染者(食中毒だけと限りません)が報告されています.
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