調査報告
地域での保健事業における超音波骨量測定機器の活用のあり方について—骨粗鬆症スクリーニング検査としての超音波法の妥当性
重藤 和弘
1
,
中谷 公子
1
,
森山 裕子
1
,
渡邊 能行
2
1京都府保健福祉部健康対策課
2京都府立医科大学公衆衛生学教室
pp.669-672
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901557
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地域住民を対象とした骨粗鬆症対策として,平成6年度から「婦人の健康づくり推進事業」に骨粗鬆症健診が取り入れられ,市町村で骨量の測定が行われるようになった.こうした事業の中で用いられる骨量測定機器としては,測定が簡便でレントゲン室を持たない市町村保健センターなどで使用できる超音波法が広く活用されている.しかし,超音波法の測定値は骨量と高い相関があることが報告されている1,2,3)が,測定部位が踵骨という特殊な部位であること,超音波の伝導速度と波長の減衰を計測することによる間接的な骨量の推定であることから,測定数値が本質的に骨量と異なることが指摘され4,5),スクリーニング検査として用いる場合,その妥当性の吟味が必要である.
こうしたことから,京都府内の保健所で実施している「骨粗鬆症相談事業」の参加者を対象に超音波法および現在最も信頼性が高いとされているDXA法6,7,8)による骨量測定を実施し,骨粗鬆症のスクリーニング検査としての超音波法の精度を分析し,今後の保健事業における骨量測定機器の活用のあり方を考察したので報告する.
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