特集 細菌だけじゃない クリニックで注意すべき食中毒
1.病原性大腸菌
西 順一郎
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科微生物学分野
キーワード:
病原性大腸菌
,
下痢原性大腸菌
,
腸管出血性大腸菌
,
腸管病原性大腸菌
,
腸管凝集性大腸菌
Keyword:
病原性大腸菌
,
下痢原性大腸菌
,
腸管出血性大腸菌
,
腸管病原性大腸菌
,
腸管凝集性大腸菌
pp.1233-1241
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002784
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下痢症の原因となる下痢原性大腸菌は,病原因子によって腸管出血性大腸菌(EHEC),腸管病原性大腸菌(EPEC),腸管凝集性大腸菌(EAEC)などの病原型に分けられる.小児科診療では,志賀毒素を産生し溶血性尿毒症症候群の原因となるEHECの診断が重要であり,細菌性腸炎を疑った場合は志賀毒素を含めた便培養検査が必須である.EHEC感染症の抗菌薬治療ではホスホマイシンの有効性を示唆する研究結果が蓄積しつつある.EPECやEAECはわが国でも比較的多く分離されているが,一般の臨床検査では検査が実施されておらず今後の課題である.O血清群は一部を除いて病原性とは直接関連はなく,確定診断には病原因子の確認が必要である.
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