特別企画 O-157への保健所の対応—住民への広報活動を中心に
病原性大腸菌O-157感染と保健所—保健所見直し論に対して
押領司 文健
1
1福岡市博多保健所
pp.716-718
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901570
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厚生省の資料によれば,病原性大腸菌O-157(以下O-157と略)による感染の発生状況には,三つのタイプがあることが分かる.まず,第1には,食中毒として届けられたもので,この中には,大阪府堺市,岐阜市,岡山県邑久市や新見市などが含まれ,当然規模の大きい事例が多い.ついで,第2のタイプとして,食中毒の疑いとして報告されているものがあり,さらに,各地から散発例として報告されている第3のタイプが続く.
福岡市はこの分け方に従うと,食中毒の疑い例と散発例があり,タイプとしては,第2あるいは第3のものとなるが,,当初から,医療機関と積極的に連携して介入し,その結果,感染の拡大防止に成功したと考えられる.ここにその概要を報告して,併せて保健所のあり方や役割について,現状を問い直してみたい.
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