特集 企業経営と公衆衛生の接点
扉
「公衆衛生」編集委員会
pp.251
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209112
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1989年に東西冷戦構造が崩壊し,その後,過度な新自由主義が台頭しました.現在,格差社会の是正が課題とされています.それに対するには,企業経営の動向について理解を深める必要があると考えます.
生活の身の周りを見渡すと,衣食住に関わる消費財の供給だけでなく,健康・医療・介護,子育て支援に関わるサービスの多くを民間事業者が担っています.特に,コンビニエンスストアは社会的弱者にとって不可欠な生活資源となっています.また,快適な地域や都市空間の実現や健康づくりの3要素である「運動」「栄養」「休養」に関わるサービスの提供も企業が担うようになってきています.つまり,企業経営のありさまによって人々の健康が規定される状況になっています.だからこそ,企業経営者には,健康経営,CSR(企業の社会的責任),CSV(共有価値の創造),ESG(環境,社会,企業統治)などの理念や,企業を社会の公器と考えた経営が強く求められるようになっています.
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