特集 地方自治体と公衆衛生—総合性と専門性の確保
扉
「公衆衛生」編集委員会
pp.265
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208864
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英国が19世紀に公衆衛生制度を誕生させることができた背景には,同時期に地方自治体が姿を現したことが関係しています.わが国でも現行憲法の下で地方自治体と公衆衛生が位置付けられました.戦後の半世紀の間は,公衆衛生体制の基盤は保健所法と保健所によって育まれてきました.それが,1997年に地域保健法が施行されたことによって,地方自治体を基盤としたものとされました.
近年,地方自治体は公衆衛生事業だけでなく,市民教育,街・コミュニティづくり,住環境・自然環境の整備,余暇を過ごす場(公園)の提供,子育て環境・教育環境の整備,福祉・介護・医療サービスの提供など,住民の生活全般にわたる政策や事業を担う基本的な存在と位置付けられています.地方自治体の基盤を強化するために平成の市町村大合併が行われ,中核市の増加が図られています.
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