特集 社会につながれない 隠されたひきこもり—8050問題
扉
「公衆衛生」編集委員会
pp.639
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209705
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高齢の親(80歳代)と中高年(50歳代)のひきこもりから成る同居世帯が生活に行き詰まる「8050(ハチ・マル・ゴー・マル)問題」が近年,顕在化しています.将来を悲観した高齢の親がひきこもりの子を殺害する事件や,子が親の遺体を放置した死体遺棄事件も発生しています.
中高年のひきこもりの場合,当事者本人はさまざまな経過の中で深く傷つき,自己肯定が低く,働いていないことを責められたり,働くことを求められたりするのではないかという不安を持つ傾向にあり,生活保護の申請をためらう人もいます.また,当事者の家族がひきこもりは自分たちに原因があると自分を責めたり,家庭内の問題を外部に相談することを恥と捉えて,親自身が介護サービスなど公的支援を忌避する傾向にあるとされています.
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