特集 健康的な住まいが欲しい!—暮らしやすくて,寿命も延びる
扉
「公衆衛生」編集委員会
pp.431
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209652
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
超高齢社会を迎えた現在,わが国では生活環境に起因する健康課題が持続的に顕在化しています.温暖化や省エネルギーによる住環境の変化ばかりではなく,欧米と比べても十分配慮が行き届いているとは言えないわが国の室内環境が,ヒートショック,シックハウス症候群,感染症など,さまざまな健康影響をもたらしています.また今回の新型コロナウイルスの感染拡大,特にクラスターの発生に,室内環境が大きく影響したことも記憶に新しいところです.
本特集の前半では,世界保健機関(WHO)が住宅に関する健康リスク要因を包括的にまとめた「健康と住宅に関するガイドライン」を紹介し,さらに国内の住環境(温度)と心血管疾患との関連に関する調査結果を示し,住環境と健康の関係を解説します.さらにスマートウェルネス住宅の取り組みから断熱改修による温熱環境の改善が住まい手の健康にもたらす効果について,また高齢者施設における室内環境管理の実態と保健所の役割について,それぞれ実際の調査結果に基づいて論じていきます.また,健康増進に向けた住宅環境整備の重要性の観点から,健康に配慮した室内環境のガイドラインの必要性について提言を行います.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.