特集 聴覚障害の早期発見と支援体制
扉
「公衆衛生」編集委員会
pp.435
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208904
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聴覚障害は,全ての世代において,早期に発見され速やかに適切な治療と支援が行われれば,生活の質(QOL)の向上が期待できると言われています.
わが国の聴覚・言語障害(児)者数は「平成23年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」(2011年)の結果によると32.4万人(推計)と報告されています.人口比を計算すると約0.3%となり,これは世界保健機関(WHO)が2017年に報告した世界の聴覚障害者の人口比5%以上と比較して,非常に低い数値となっています.しかしながら,この2つの数値は聴覚障害の捉え方も調査方法も異なるため,「わが国の聴覚障害者は極めて少ない」と単純に評価することはできません.一つには,WHOは純音聴力41dB以上を聴覚障害としているのに対して,わが国では70dB以上を聴覚障害者として認定していることが影響していると思われます.
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