特集 「健康診断」の新しい動向
健康診断をめぐる法的問題
加藤 済仁
1,2
Saijin KATO
1,2
1東邦大学
2加藤法律会計事務所
pp.31-34
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207847
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■はじめに
健康診断は,従前から施行されている母子保健法,労働安全衛生法,学校保健法などに加え,老人保健法が昭和58年2月1日から施行されたことによって,法的にも一応確立したといえる.この国民の健康の維持,増進を目的とする健康診断は,それを受ける国民ばかりでなく国にとっても医療費の負担を軽減するという利益をもたらすことにもなる.このことから,健康診断は医学,医療技術の進歩,発展とともに今後一層進歩,充実していくと考えられる.
しかし,健康診断は,一般の診療とは異なった医療行為であること,それを受ける者のプライバシーに関係するものであることなどからいろいろな法的問題を有している.そこで,健康診断の今後の進歩,充実によって生じるであろう法的問題も含めて検討する.
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