特集 受精革命
体外受精の法的問題点
人見 康子
1
1慶応義塾大学法学部
pp.17-20
発行日 1983年1月25日
Published Date 1983/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206163
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はじめに
男性側に不妊原因がある場合の治療法としての人工授精については,配偶者間人工授精(いわゆるAIH)と非配偶者間人工授精(AID)がある。それに対して,女性に不妊原因がある場合の治療法として登場したのが,体外受精である。
体外受精が人間について成功したのは,イギリスのステップトー博士とエドワーズ博士による,1978年の第一号子の出生であり,まだその歴史は浅い。体外受精の実験報告は,すでに1960年代から,可能性は予想されていたし,1970年代に入ってからは確実性を増していたのである。遠からぬ将来において,配偶者間体外受精のほかに,第三者の精子による体外受精,夫と妻の間の受精卵を他の女性の体内に着床させる等の適応場面が考えられよう。
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