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特集 癌告知とインフォームド・コンセント
法的重要性からみた癌告知とインフォームド・コンセント
Legal obligation to inform the patient that they have cancer
桑原 博道
1
,
加藤 済仁
1
Hiromichi Kuwabara
1
1仁邦法律事務所
キーワード:
インフォームド・コンセント
,
説明義務
,
癌の告知
,
医師の合理的裁量
Keyword:
インフォームド・コンセント
,
説明義務
,
癌の告知
,
医師の合理的裁量
pp.1093-1097
発行日 2005年9月20日
Published Date 2005/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100177
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要旨:インフォームド・コンセントや医師の説明義務は万能ではない.特に癌の告知については,患者に対する精神的打撃というデメリットがあるため,医師には合理的な裁量がある.もっとも告知には,患者が残された時間を有意義に過ごすことと,患者が診療に積極的に協力するようになるというメリットもある.そのため,告知をしない場合には,それらのメリットを告知以外の方法で確保すべきであるというのが裁判所の判断である.しかし,その方法はあまりに高度であり,実施が難しい.したがって,裁判所の判断を前提にすると,告知をしないという選択は取りづらくなる.これでは,告知に対する医師の裁量は否定されるに等しくなり,患者のための医療という点からして,かえって疑問が残る.
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