講座
栄養疫学—2.近代科学としての栄養疫学
豊川 裕之
1
Hiroyuki TOYOKAWA
1
1東京大学医学部保健学科疫学
pp.641-646
発行日 1987年9月15日
Published Date 1987/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207538
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■はじめに
個人についてではなく,人間集団について健康現象を観察して,その資料を収集し,整理・加工の後に統計処理を行い,その結果を考察して,該当集団の健康現象に何らかの規則性(頻度分布,関連,因果など)を見つけることが疫学(epidemiology)の研究である.とくに栄養現象について観察することに始まる疫学的研究を栄養疫学という.栄養疫学研究は,調査論と統計分析論の上に成立する,疫学調査には,断面調査(cross sectional study),患者―対照調査(case control study),コホート調査(cohort study)など種々あって,それぞれに一長一短があり,時と目的に応じて使い分けることが必要である.それらの方法論について詳述する前に,疫学研究の基本を整理することにしよう.
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