口絵
近代病院
pp.1-4
発行日 1956年8月15日
Published Date 1956/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910155
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
建築によつて創造されるものは,芸術であると同時に実用品である。評論家の推賞する映画や文芸が,案外に一般から受けないことがあるように,かえつて,専門家の視野に限られた枠がはめられ,案外素人の大衆に合理的な着想が内蔵されていることも少くない。
戦後病院建築は,飛躍的に進歩した。旧来の建築理念と形態を一掃した新建築等が,合理主義的国際建築の波に乗つたとはいえ,経済的にきりつめた設計にもかかわらず,日本人的な清礎な感覚と柔かさを感じさせるものも多く出来ている。建築家独自の机上論が一般大衆の声を反映して実用的にも適合したものへと改善されつつある。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.