講座
栄養疫学—4.食物消費構造と食物消費の二次元空間図
豊川 裕之
1
Hiroyuki TOYOKAWA
1
1東京大学医学部保健学科疫学教室
pp.788-796
発行日 1987年11月15日
Published Date 1987/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207575
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■栄養疫学の分析論
本号から栄養疫学における分析論に入る.そもそも疫学は調査論(または調査の段階)と分析論(または分析の段階)から成り,調査と分析は一貫した考え方によって企画・実施されなければならない.したがって,本来ならば本講座でも,幾通りかの調査方法と分析方法の組合わせを設定して,それぞれの事例を挙げて,一貫した説明をすべきであるが,1回当たりの紙面に制限(400字詰め原稿用紙×25枚)があるので,本講座にはなじまない.いきおい調査論と分析論を別々に号を改めて説明しなければならない.そのうえ,同じ理由で,具体的事例をいくつも取り扱えないので,たった一つの具体例を,それがすべてに当てはまるものではないという言い訳付きで説明をしなければならない.科学的方法は,本来,普遍的なものでなければならないので,先の条件(制限)が付くと,具体的事例から普遍性を導き出すという無理をしなければならないわけであり,そこには"一事が万事…"式の短絡的説明がまかり通る危険が生じる.そのような過誤を犯さないように注意を払いながら記述をするけれども,筆者の側だけの自覚だけでは不十分であって,読者諸氏の協力とモニタリング・システムが機能してはじめて,そのような過誤から逃れられるので,以下,十分にチェックしながら読んでいただきたい.
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