特集 栄養疫学
栄養疫学の歴史
高木 和男
1
Kazuo TAKAGI
1
1東京食糧学院
pp.81-86
発行日 1985年2月15日
Published Date 1985/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206991
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■はじめに
栄養学が,少なくとも科学的な様相を示して来たのは,パリにおけるマジェンディ委員会(1815)の研究からであろうと思っているが,この委員会の研究方法は疫学的とはいえない.
しかし,食べ物と人間の健康との関係についての古代からの考え方は,それが学とはいえないとしても,疫学的な考え方をとって来ないわけにはいかなかった.ウナギは痩せた人によいというのは,すでに,大伴家持の歌にあったが,痩せた人にウナギがよいということは,今の言葉でいえば疫学的観察によって,当時の人はよく知っていたにちがいないのである.
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