目で見る衛生統計 国際比較
12.総合評価
大森 文太郎
1
,
小田 清一
2
,
藤崎 清道
2
,
石塚 正敏
3
1岡山県衛生部
2厚生省統計情報部衛生統計課
3厚生省医務局国立療養所課
pp.60-61
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206013
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これまで11回にわたって保健・衛生・福祉の諸指標を駆使して衛生水準の国際比較を行なってきたが,今回はその締めくくりとして総合的な評価を試みてみたい.
●WHOの示した衛生水準の3クラス分類(表)に従い,何項目かを選んで各国のhealth statusを評価することにする.前回までの評価法は,先進諸国との相対評価であったが,今回は絶対評価的な面が加味されるわけである.これまで比較の対象としてきたアメリカ,イギリス,フランス,スウェーデンの各国およびわが国ともWHOの評価法では,すべての項目でAクラスの評価を受けているが,それ以上の細かい評価は現時点では難しい.たとえば乳幼児死亡率を取り上げても,数値の改善がある限界点にまで至れば人種的な差や(わが国のように)新生児死亡と後期死産の区別の曖昧さなどが強く影響するようになり,純粋に衛生水準を表現する指標とはいえなくなってくるからである.
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