目で見る衛生統計 国際比較
5.死因統計(その3)—伝染病・事故など
大森 文太郎
1
,
小田 清一
2
,
藤崎 清道
2
1岡山県衛生部
2厚生省統計情報部衛生統計課
pp.364-365
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205847
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衛生水準の国際比較を行なう際に必要な死亡統計のうち基本的なものについては,前回までの人口動態統計(Ⅰ)(Ⅱ),死因統計(Ⅰ)(Ⅱ)において考察した.今回は,これまでにふれられなかった幾つかの死因について見ていくことにしよう.
●"公衆衛生"の進歩とともに伝染病による死亡が減少し,成人病死亡割合が高くなっていく,という現象が見られる.わが国の伝染病死亡割合は依然として,西欧の先進諸国より高くなっているが,その原因として結核死亡率が高いことが挙げられる.図1から,日本の伝染病死亡率が結核死亡率によって押し上げられていることがわかる.しかし,1977年の死亡率は7.8,死亡順位は糖尿病に10位の席をゆずって11位になっており,結核による死亡数はわが国において着実に減少している.そして,近い将来に先進諸国の水準に達するであろう.
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